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アメリカのコロナ対策、大規模財政・金融政策にどこまで効果があるか

 トランプ大統領は全国民に対する要請について、当初3月末までの予定だったが、その期間を4月12日の復活祭まで延ばし、さらには4月30日まで延長することを決定した。

アメリカの経済対策法案の中身

 アメリカの名目GDPに占める民間最終消費支出の割合は各国と比べ大きい。国連データによれば、2018年は68.0%で、GDPベスト5の中では最大である。イギリスは65.5%、日本は55.6%、ドイツは52.1%で、中国は38.7%である。

 消費関連産業の不振は、こうした産業が零細企業を中心とする労働集約的産業であることから、雇用に対して大きなダメージを与える。消費が大きなウエートを占めるアメリカにとって、今行われている厳しい対策は中国以上に景気へのダメージが大きい。この政策は、長期間続けることのできない劇薬である。

 パンデミックは、内外の交通網、物流を遮断し、航空、旅行、貿易産業に大きな負の影響を与え、世界経済の低迷は、原油価格の下落を引き起こし、アメリカ産業のアキレス腱ともいえるエネルギー産業を直撃する。一刻も早く感染拡大を封じ込めなければ、経済危機、その前に金融危機を引き起こしかねない。

 アメリカでは3月27日、新型コロナウイルスに対する経済対策法案が成立した。財政支出の規模は2.2兆ドルに膨らみ、リーマン・ショック時の7000億ドルを大きく超える。これは2018年の名目GDPの10.7%に当たる規模である。家計に対しては現金支給、企業に対しては社債購入、融資の拡大など、業績不振の著しい航空会社に対しては特別な支援策、施設の充実が急務の病院に対しては補助金を支給する。そのほか、FRB(連邦準備制度理事会)に対する政府保証などもその中身に含まれる。

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