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日本HP社長 外資系PCメーカーがこだわる「MADE IN TOKYO」戦略

「東京生産」にメリットあり

「東京生産」にメリットあり

「デザイン」と「安全性」の両立

──2002年、コンパックとヒューレット・パッカードが合併。岡さんはPC事業のマーケティング本部長や事業責任者などを経て、2015年に日本HPの社長に就いた。主に取り組んできたことは?

岡:コンパック時代の1999年からは生産面でのビジネスモデルを変えました。従来は、受注予測に基づいて海外に生産指示を出し、船積みして大量に仕入れるというやり方でした。しかし、思うように需給が合わなかった場合、在庫の過不足などさまざまな無駄が生じます。

 そこで、東京に生産・物流拠点を設けました。受注生産にすれば在庫を抱えることはありませんし、国内生産のため納期も早まる。海外からの遠距離輸送に比べ、振動・衝撃で精密機器が破損するリスクも軽減される。他社製品と大きく差別化できると考えました。

 今では、法人向けPCの9割近くを東京で生産しています。

──他にHPならではのセールスポイントは?

岡:まず高いセキュリティです。HPの法人向けPCには独自のセキュリティ専用チップが搭載されています。PC内への危険なアクセスやシステムの改ざんを検知し、安全に自動復旧させるシステムです。

 また、ディープラーニング(※注)により、未知の攻撃を防御するソフトなども搭載しています。

【※注/音声認識、画像認識など人間が行なう作業を実行できるようコンピューターに学習させる手法のこと】

 コロナ禍で在宅勤務が増え、企業へのサイバー攻撃、情報漏洩のリスクは増しています。セキュリティレベルの高いPCを選択することが、今後ますます重要になってくるでしょう。

 もうひとつ注力しているのがデザインです。かつての法人向けPCは堅牢性が最優先でデザインは後回しでした。しかしテレワークなどでPCを持ち運ぶことが当たり前になった今では、スタイリッシュなマシンであることが求められます。

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