真壁昭夫 行動経済学で読み解く金融市場の今

ソニー、日立、任天堂… コロナ禍でも業績好調の企業に共通する姿勢

 企業を成長させるためには「イノベーション」が不可欠とされるが、日本では「技術革新」と訳されることが多い。しかし、それはイノベーションが持つ意味の一面しか捉えていないのではないか。イノベーションを唱えたオーストリアの経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターは、イノベーションを次の5つに分類している。

【1】プロダクト・イノベーション(新しいモノの創造)
【2】プロセス・イノベーション(新しい生産方法)
【3】マーケティング・イノベーション(新しい販路の開拓)
【4】マテリアルおよびサプライチェーン・イノベーション(新たな原材料・資源の供給源)
【5】オーガニゼーショナル・イノベーション(新しい組織)

 つまり「技術」だけではなく、ビジネスに関わるすべてを新たにすることを「イノベーション」としているのだ。

 まずは、今の状況をしっかりと捉えて危機感を持ち、「イノベーション」を根本から解釈し直して臨むことが求められている。まだ間に合うはずだ。

【プロフィール】
真壁昭夫(まかべ・あきお)/1953年神奈川県生まれ。法政大学大学院教授。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリルリンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。「行動経済学会」創設メンバー。脳科学者・中野信子氏との共著『脳のアクセルとブレーキの取扱説明書 脳科学と行動経済学が導く「上品」な成功戦略』など著書多数。

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