住まい・不動産

自宅の売却「高めの価格設定で売れなければ値下げすればいい」が裏目に出る理由

 では、「現実的な売却価格」はどうつかめばいいのだろうか。不動産コンサルタントの長嶋修さんはこう解説する。

「売りたい物件の周辺地域にある類似物件が過去にどれくらいの価格で売れたか、そして、現在どのような物件がどれくらいの価格で売りに出されているか。過去と現在の価格という2つの観点から見て行くと、売りたい物件の相場がだいたい見えてきます」

 希望の売却価格にできるだけ近い金額で売るためには、成約までの期間を短めに想定しておくことも重要だという。先のアンケートで、実際に売却したと答えた人のうち、売却までにかかった期間は「1年以内」が178人、「1年以上」が236人だった。

「一般的には売りに出してから1か月以内、遅くとも3か月以内で売れるように考えておくべきです。そうでないと売れ残りのイメージがついてしまい、値下げしなくてはならなくなります。成約までに1年以上かかった人は何度も値下げしているはずなので、満足感は下がるはずです」(長嶋さん)

「高めに価格設定しておいて、売れなければ値下げすればいい」という考えは裏目に出やすいということだ。「売却価格の設定を高めにしすぎない」「売りに出してから3か月以内での成約を目指す」という2点を念頭に置き、納得できる売却を目指したい。

◆取材・文/岸川貴文(フリーライター)

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