住まい・不動産

家賃が安い「線路沿い」物件の住み心地 騒音以外に気になる点は?

長男が“鉄ちゃん”への道まっしぐら

 埼玉県中部に住むヒサシさん(40代/男性)が線路沿いの一軒家を買った理由は、“安かったから”という一点だった。たしかに静かとはいかない住環境だが、長男は我が家が大のお気に入りだ。

「男の子はだいたい、小さい頃は乗り物が好きですが、ウチの子が好きになったのは電車。家の前を電車が走っているので、当然の結果です。とにかく電車を見せれば大喜びなので、遊びに連れていく必要がないほどでした。

 息子は現在高校生になりましたが、着々と“鉄ちゃん”の道を歩んでいて、鉄道好きの友人を家に呼んで、ベランダから鉄道写真を撮ったりしています。息子によれば、『電車が好きなヤツは、家が線路に近かったヤツが多い』そうで、一種の英才教育だったかもしれません」

 騒音について、妻はしばしば文句を言うものの、息子は一度も不平不満を漏らしたことがないとか。もちろんヒサシさんは騒音については納得のうえで購入しているが、不動産屋の説明には「後で話が違うと思った」と振り返る。

「私が『線路が目の前だし……』と購入を渋っていると、不動産屋は『○○線は1時間に4~5本なんで、そんなに気になりませんよ!』と、確かに言いました。その言葉を鵜呑みにしたのと、うるさい代わりに日当たりが良いのが大きな魅力だったんです。でもいざ住んでみると、目の前の線路は駅を通過する寝台列車や貨物列車も走るので、想定より遥かに本数が多い。最寄り駅の電車の本数だけ確認したのは失敗でした。

 あと、1年に1回あるかないかの話ですが、列車が急停車して、家の前に延々と停まっていることがあります。角度的に車両からリビングが丸見えなので、最初気づいた時は“こんなこともあるのか”と思いました」

 また鉄道好きの息子も、まったく不満がないわけではないらしい。

「我が家が線路沿いにあるのはクラスで有名で、クラスメイトからは、電車に乗った時に必ず『あそこが○○の家』と話題にされるようです。そして家を凝視され、『お前のウチって、いっつも布団干してんな』とか『オヤジさん、草むしりしててエラいね』とか言われるとのこと。息子は苦笑いで適当に流しているようですが、からかわれるのが嫌だから、洗濯物には気をつけろとか、あんまり庭に出るなって言われたことがあります(笑)。家を見られたり、話題にされたりするのが嫌な人には向かないかもしれませんね」

 実際に住んでみないとわからないことは少なくない。引っ越しの際は、体験者たちが語るメリット・デメリットを考慮に入れて検討したい。

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