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マンション住人が共用廊下に荷物を置きっぱなしで注意も聞かない 対処法はあるか

何度も注意しているのに…(イラスト/大野文彰)

何度も注意しているのに…(イラスト/大野文彰)

 マンションで発生する入居者間でのトラブル。もしも、共用部の廊下に大量の荷物を置いている住人がいたら、どう対応すればいいのだろうか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 マンションの住人のことで相談です。25世帯の分譲マンションに住んでいますが、同じ階のAさんは、共用部分に自分の家の荷物を大量に置いています。管理会社に連絡して注意をしてもらうのですが、一時的に荷物が減るもののしばらく経つと元通りに。通行の邪魔になりますし、見た目も悪いので何とかしてほしいのですが、罰を与えることはできないのでしょうか。(55才女性・主婦)

【回答】
 分譲マンションは1戸ごとに区分所有権が成立し、これを所有する個々の区分所有者が共同して維持管理しなければならない建物です。

 区分所有権の対象は、左右建物との壁や上下階との間のスラブ(鉄筋コンクリートで造られた床板)で仕切られた各部屋の内側の部分です。これを専有部分といいます。

 マンションにはこの専有部分のほかに、各戸の境の壁や床のスラブなどの躯体(建物の骨格)部分、階段室や廊下などがありますが、これらは区分所有者全員にとって大切な建物全体の基盤的な構造ですから、法定共用部分として共有になります。このほかに、管理規約で定められた共用部分も含め、共用部分は区分所有者がその用法に従って使用することができます。

 廊下の用途は、言うまでもなく居住者が通行することです。物置代わりに使うことは用途違反です。物を置いて通行を妨げれば、区分所有者が廊下の充分な利用ができないことは言うまでもなく、非常時などに安全を損なう危険な行為であり、区分所有者が共通して有する利益を侵害する行為です。

 区分所有法は、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」と定めています(区分所有法6条1項)。私物を廊下に置き、何度注意しても聞かない住人はこれに違反しています。

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