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新型クラウン・クロスオーバーRS 「見た目はそれほど変わらないが、中身は全くの別物」

どちらを買うのが“正解”か?

 クラウンの走りの魅力はこれまで15代にわたって培ってきたDNAとも言えるFR駆動による自然なフィーリング。新時代の走りに昇華させるためにパワートレーンなどを全て刷新したわけですが、筆者的には褒め言葉で「制御の固まり」だと感じています。同じ4WD車でも2.5Lハイブリッド車とは異なるリアモーターをより積極的に使う手法や、ターボとハイブリッド技術という一見相反する技術の「いいとこ取り」するなど、制御自体はやり方ひとつで良くも悪くなる要素となっています。現状におけるクラウンの性能は素晴らしいものですが、今後この「制御」をブラッシュアップしていくことでさらに走りが良くなる可能性も秘めています。

 ではここまで褒めてきた新型クラウン・クロスオーバー、RSと2.5L車のどちらのグレードを買うのが正解なのでしょうか。

 進化したクラウンの「全て」を堪能したいのであれば、やはり「RS」だと思います。もちろん価格も異なりますし、「燃費が気になる」などの不安を少しでも感じたのであれば2.5Lハイブリッド車でも、十分クラウンの進化を堪能することができるはずです。一方、RSの方がリセールバリューは高くなることは予想されます。

 いずれにせよ、クロスオーバーでこれだけの違いを見せてくれた新型クラウン、2023年以降にはセダンやスポーツなどの発売も控えています。ただ昨今の半導体不足などによる供給遅れはやはり深刻です。手に入れたい場合は、早めにオーダーを入れることが吉でしょう。

【トヨタ クラウンCROSSOVER RS “Advanced”】
ボディサイズ全長×全幅×全高:4,930×1,840×1,540mm
車重:1,950kg
最小回転半径:5.4m
駆動方式:4WD
トランスミッション:6段AT
エンジン:直列4気筒ターボ2,393cc
最高出力:200kw(272PS)/6,000rpm
最大トルク:460Nm/2,000~3,000rpm
モーター:交流同期電動機
フロント:最高出力:61kw(82.9PS)、最大トルク:292Nm
リア:最高出力:59kw(80.2PS)、最大トルク:169Nm
WLTCモード燃費:15.7km/L
車両本体価格:640万円(税込み)
試乗グレード(オプション搭載車)価格:731万円(税込み)

【プロフィール】
高山正寛(たかやま・せいかん)/カーコメンテーター、ITSエヴァンジェリスト。リクルートで中古車情報誌カーセンサーの創刊直後から新車とカーAV記事を担当。1999年に独立。ITS Evangelist(カーナビ伝道師)の肩書で純正・市販・スマホアプリ、ドラレコや携帯電話などのデジタルガジェットまでを日々テストし普及活動を行う。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。認定CDRアナリスト&CDRテクニシャン。愛車はトヨタ プリウスPHV(ZVW52)とフィアット500C。

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