投資

新NISAで「生涯投資枠を早く埋めよう」と考える落とし穴 大きく手ごわい「1800万円の壁」

S&P500が40%暴落したら?

 もし金融ショックや景気後退による株価暴落に見舞われて、新NISA口座のリスク資産が激減したら一大事です。株価が暴落するような不景気のときは、収入も目減りしてしまうリスクも高いでしょう。ひょっとしたら月々の生活費30万円を月収では埋め切れず、400万円の貯金からの取り崩しを強いられてしまうかもしれません。

 たとえば、新NISAの生涯投資枠1800万円を埋め切った5年後に、投資していたS&P500などのインデックスファンドが40%下落したら、

・新NISA口座などにあった2000万円の運用資産の評価額は1200万円に減少(800万円の含み損)、
・支払いが重なったため、400万円だった貯金が200万円まで目減り、

といった窮地に陥ってしまうかもしれません。

 さらに支払いが重なってしまうと、せっかく苦労してつみたてた新・旧NISA口座の運用資産を損切りして、現金化する羽目に陥るかもしれません。そうなると、株価が気になって眠れなかったり、仕事が手につかなくなったりしてしまうでしょう。

投資はあくまで余裕資金で気長に

 やはり、新NISAが生涯投資枠1800万円をできるだけ早く埋める入金ゲームだったとしても、投資は余裕資金で気長にやるべきもの。「1800万円の壁」はかなり大きく、手ごわいのです。

 新NISAのもう一つのメリットは「死ぬまで非課税運用できる」ことですから、できるだけ早く運用できない分は、できるだけ長く運用することでカバーしましょう。

 2023年で終了するつみたてNISA同様に、毎月3.3万円、年間40万円の資金で「1800万円÷40万円=45年間」かけて、気長に1800万円の枠を埋めてもいいのです。

 45年間といえば、25歳ではじめて69歳までかかってしまう計算ですが、途中、60歳になった時点でつみたてをやめて、新NISAの非課税枠すべてを使い切れなくても別に問題はありません。いざというときに必要な現金を十分に確保したうえで投資することのほうが大切です。

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