kenmo氏が本格的に投資をはじめたのは社会人4年目のこと(イメージ)
トランプ米大統領の関税措置をめぐり世界市場の混乱が続いている。株式市場では数年に一度、急落を伴う危機が到来し、投資家は戦略を練り直す必要に迫られる。いま注目を集めるのが、自らの資産額や市況に応じて複数の投資手法を使い分け、“億り人”となった個人投資家だ。
4月下旬に発売された著書『5年で1億貯める株式投資』が5刷7万部のベストセラーとなっているkenmo(湘南投資勉強会)氏がその人である。元手300万円で投資を始め、現在の資産額は約3億円というkenmo氏に話を聞いた。
kenmo氏が本格的に投資をはじめたのは2012年のこと。当時は社会人4年目だった。
「就職した会社に社員寮があって家賃も安かったため、入社して数年間はしっかり貯金ができました。しかし、社員寮は30歳で出なければならなかった。そうなると、これまでのようにコツコツ貯金だけでお金を増やすのが難しそうだなと思ったのが、投資に興味を抱いたきっかけのひとつです。私は趣味も大事にしていて、いわゆる“推し活”にもお金を使いたかった。生活を充実させつつ、お金を増やしたいと考えた時に、株式投資が一番無難そうだという結論に至ったのが2011年のことでした」(kenmo氏、以下「」内は同)
「新高値ブレイク投資法」に魅力を感じた理由
2011年は東日本大震災があった年だ。日経平均が大幅に下落したニュースを見て、“安くなった今がチャンスでは?”と考えたという。
「すぐに証券口座を開き、大きく値を下げていた『東北電力』を買いました。少し含み益が出たところで売却して、1300円くらいの利益になった。“1300円儲かったぞ!”と驚いたことを覚えています。とはいえ、このまま適当にやってもきっと損するだろうなと考え、書店で投資に関する本を50冊くらい買って読みました。しっかり理論武装して本格的に株を始めたのが2012年の頭という流れです」
様々な書籍を読むなかで、kenmo氏が出会ったのが、「新高値ブレイク投資法」だった。株が新高値を超えたタイミングで買い、さらに上がったところで売るという手法だ。
「安く買って高く売るというのが株の考え方だと思っていましたが、高く買ってより高く売るという発想が新鮮でした。たくさんある銘柄のうちのごく一部の成長株が高値をつけたタイミングで買って、さらに高値で売り抜けるというところに魅力を感じました。当時は仕事から帰ってきて2~3時間ほどを投資の勉強や株の売買に充てていました。限られた時間、限られた元手で勝負をしようと考えた時に、短期間で勝負して大きな値幅を取るという発想のほうがうまくいきそうだなと思ったわけです」