マンション価格の高騰が続くなか、「今買うべきか、待つべきか」に悩む人は少なくない(写真:イメージマート)
これまで高騰を続けてきたマンション市場にも、変化の兆しが見え始めている。不動産調査会社・東京カンテイによると、都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)の中古マンションの平均希望売り出し価格は70平米あたり1億8000万円台で推移しているものの、ここ半年ほどは上昇が足踏み状態となり、価格を引き下げる物件も増えているという。これまで相場を押し上げてきた投資マネーにも陰りが見え始め、市場では「高騰一辺倒」の見方に変化が生じている。
一方で日銀の利上げを受けて住宅ローン金利は上昇局面に入りつつあり、購入を検討する人にとっては判断が難しい局面だ。マンション価格は依然として高水準を維持しているが、今後も不動産購入は有効な資産形成の手段となるのか。妻と子供を持つ40代の会社員・ブリリアント氏は都内のタワーマンションを購入し、生活者目線で発信するXの投稿が支持を集めている。同氏に、実体験を踏まえたマンション購入の考え方を聞いた。
「1億円の借金」が怖くて買えなかった
「都心のタワマンを購入したのは4年ほど前です。そもそもマンションには以前から強い関心があり、10年ほど前から『いつか購入したい』と考えていました。ちょうどアベノミクスが始まって数年が経った頃で、今振り返れば、その時期に購入していれば非常にいい投資になっていたと思います。
ただ、当時はまだ独身でした。その頃の私は、『マンションを一度買ったら一生住み続けるもの』だと考えていて、『売却する』という発想がありませんでした。結婚して住む場所が決まってからでないと、マンションなど購入できないものだと思い込んでいたからです。また、1億円程度の物件を購入したいとは考えていたのですが、1億円の借金を背負うことへの恐怖でためらいもありました」(以下、「」内はブリリアント氏のコメント)
マンション購入は先送りになったが、マンション自体への興味は変わらず、新築物件のモデルルームには頻繁に足を運んでいたという。
「たしか20件近く見学しました。なかでも特に関心を持ったのが後楽園・春日エリア(両駅は一体的なターミナル駅)の『パークコート文京小石川ザタワー』です。モデルルームにも3回ほど通いましたが、最終的には自分の価値観と合わない部分があり購入を見送りました」
転機となったのは2020年のコロナ禍だった。
「世界中で大規模な金融緩和が行なわれ、『これは現金を持っているだけでは危ない』という危機感を持ちました。インフレでお金の価値が目減りすると思ったのです。ちょうど現在の妻と交際を始めた時期で、『何が何でも買わなければいけない』という気持ちでマンション探しを本格化させました。
戸建てや郊外の住宅はほとんど検討していません。理由は資産性です。当時は資産形成というより、インフレ対策という意味合いが強かったので、できるだけ都心に近い大規模タワーマンションを持つことが、経済合理性の面で最も優れていると判断しました」
しかし、購入を決断するまでには大きな葛藤もあったという。
「私が購入した中古マンションは、当時すでに分譲時価格の約1.5倍になっていました。同じマンションの中で、自分が一番高い価格で、一番築年数の古い住戸を買うことになるわけですから、正直かなり抵抗感がありました。
しかも同い年の友人が分譲開始時にそのマンションを買っていたので、『自分よりずっと安く買っている』こともわかっていました。それでも『そんなことを気にしていたら一生マンションは買えない』と思い、経済合理性だけで判断しようと考えました」
