皇居周辺の建築物については、建物の高さや窓の設置をめぐるさまざまな噂が語られてきた(写真:イメージマート)
不動産調査会社・東京カンテイによると、2026年9月の東京23区の中古マンション価格(70平米換算)は、前月比0.4%下落の1億2629万円となり、4か月連続で下落した。なかでも都心部は5か月連続の下落となり、これまで続いた価格上昇に調整の動きが見える。そんななかでも、「千代田区」は都内屈指のマンション価格を誇るエリアだ。
皇居の周辺には国会議事堂や中央省庁、大企業のオフィスビルなどが集まり、番町や麹町といった高級住宅地もある。一方、皇居周辺には建物の高さなどに関する規制があり、マンション開発にも一定の制約がある。千代田区の不動産にまつわる噂として、「皇居を見下ろせる場所にタワマンは建てられない」「皇居が見える側に窓はつけられない」という話がまことしやかにささやかれている。これは事実なのか。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏に聞いた。
高級住宅地「番町」にタワマンが少ない理由
「タワマンについては、そもそも住宅地では建物の高さや容積率などに規制があり、どこにでも建てられるわけではありません。麹町は商業エリアでもあるので、高層のオフィスビルやタワマンが建っていますが、番町では良好な住環境を守るため、地区計画によって建物の高さなどが制限されています。そのため、現在の規制のもとでは、超高層のタワマンを建てるのは難しいのです」(以下、「」内コメントは榊氏)
タワーマンションが建設できるかどうかは、用途地域や容積率、高さ制限などによって左右される。湾岸の埋め立て地などでは、大規模な再開発に伴って規制が緩和され、タワーマンションが建設されてきた例もある。一方、番町のように良好な住環境が維持されてきた住宅地では、建物の高層化を伴う開発計画に対し、地元住民から反対の声が上がることもある。
高さ150mの構想が約76mに
【プロフィール】
榊淳司(さかき・あつし)/1962年、京都市生まれ。榊マンション市場研究所主宰、不動産ジャーナリスト。年間500か所以上、新築マンションの建築現場を現地調査する。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)を監修したほか著書も多数。
取材・文/清水典之
