中古マンションの資産価値は、築年数だけでなく立地や管理状態、将来の建て替えの可能性などによっても左右される(写真:イメージマート)
東京23区の中古マンション市場は、大きな曲がり角を迎えている。東京カンテイの調査(2026年10月22日発表)によると、9月の東京23区の中古マンション価格(70平米換算)は前月比0.4%下落の1億2629万円となり、4か月連続で値を下げた。価格は依然として高額だが、都心部では下落が5か月続いている。こうした状況のなかで中古マンションを購入するなら、現在の価格だけでなく、将来の資産価値にも目を向けたい。
そこで注目したいのが、築50年前後になっても高い評価を維持している“ヴィンテージマンション”だ。一般的にマンションは築年数の経過とともに建物の老朽化が進み、資産価値にも影響するが、こうした物件は築年数の割に価格が下がりにくく、今なお高額で取引されるものもある。
千代田区では、一番町パークマンション(一番町)や麹町三番町マンション(三番町)、ホーマットアドミラル(二番町)、朝日九段マンション(九段北)などがヴィンテージマンションと呼ばれ、築50年前後の物件であるにもかかわらず、数億円という高値で取引されるケースもあるという。では、なぜ番町やその周辺には、築年数を重ねても高い資産価値を維持するマンションがあるのか。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏はこう答える。
築古でも良好な管理状態が保たれる理由
「非常に地価の高い一等地にあり、エントランスに大理石や御影石を使うなど、もともと贅沢な造りになっています。それに加え、富裕層の居住者が多く、年金暮らしの高齢者でも経済的に余裕のある人が多いため、必要な大規模修繕が適切に行なわれ、築古でも良好な管理状態が保たれているといわれています」(以下、「」内コメントは榊氏)
近年は建築資材や人件費の高騰によって大規模修繕の費用も膨らみ、毎月積み立ててきた修繕積立金だけでは賄えず、管理組合が区分所有者から費用を追加徴収するケースもある。しかし、こうしたヴィンテージマンションでは、経済的に余裕のある所有者が多いため、追加負担への合意が得られやすく、必要な修繕をスムーズに進められるという。
建て替えによって資産価値が…
【プロフィール】
榊淳司(さかき・あつし)/1962年、京都市生まれ。榊マンション市場研究所主宰、不動産ジャーナリスト。年間500か所以上、新築マンションの建築現場を現地調査する。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)を監修したほか著書も多数。
取材・文/清水典之
