マンション購入では、借入可能額だけでなく、家計や将来の暮らしを踏まえた資金計画が重要になる(写真:イメージマート)
マンション価格が高額化するなか、共働き夫婦にとっても、マイホームの購入予算をいくらに設定するかは悩ましい問題だ。不動産調査会社・東京カンテイが2026年10月29日に発表した調査によると、2025年の首都圏の新築マンション購入に必要な「目安世帯年収」は、駅別の平均で1302万円に達した。中古マンションも高額で、同社によると、2026年9月の城北・城東11区(都心6区と城南・城西6区を除く東京23区内の11区)の中古マンションの売り希望価格(70平米換算)は、前月比では横ばいだったものの、前年同月比21.9%上昇の8543万円だった。住宅ローンの借入額を決める際には「年収の7倍」「年収の8倍」といった目安が使われることもあるが、年収だけを基準に予算を設定すると、家計に無理が生じるおそれがある。
不動産インフルエンサーのニイゴ氏は、20代で6000万円台の中古マンションを購入。現在は会社員として働きながら、実需向けのマンション購入情報を発信し、購入希望者からの相談にも応じている。そうした相談を通じて、特に注意が必要だと感じているのが、年収を基準にした購入予算の決め方だという。
住宅購入の予算は「年収」だけで決めるな
「購入相談に来る方は、世帯年収を基準に物件の予算を決めていることが多いんです。インターネットなどで『世帯年収の7~8倍』といった目安を見て、『予算は8000万円くらいで考えています』と相談されます。でも、僕はいつも、世帯年収だけで予算を決めないほうがいいとお伝えしています。銀行が貸してくれる金額と、無理なく返済できる金額は別だからです」(以下、「」内コメントはニイゴ氏)
ニイゴ氏が勧めるのは、直近3か月ほどの家計の収支を確認し、毎月の住宅費にいくら充てられるかを計算する方法だ。
「例えば、今の家賃が月20万円で、子供の習い事などに5万円、旅行などに5万円使っているとします。それ以外の生活費も含めて毎月の支出を洗い出し、収入から差し引くんです。さらに、NISAでの積み立てや、家電の買い替えなどに備えて確保しておきたいお金も差し引きます。そこで残った金額を今の家賃に上乗せすれば、毎月の住宅費にいくら充てられるかがわかります」
こうして家計の収支から毎月の住宅費に充てられる金額を算出し、住宅ローンの返済額をシミュレーションすると、年収の倍率をもとに考えていた予算よりも、予算を伸ばせるケースがあるという。
