閉じる ×
住まい・不動産

武蔵小杉タワマン住民 「風評被害が収まるまで売却もできない」

台風19号の影響で停電や冠水したマンションも(武蔵小杉)

台風19号の影響で停電や冠水したマンションも(武蔵小杉)

「住みたい街」ランキング上位の常連、武蔵小杉(神奈川・川崎市)の台風被害は“街全体の評価”を一変させた。

 街のシンボルであるタワーマンションの浸水被害は「災害に弱い街」を印象付け、住民は長期間にわたって不便を強いられている。風評による資産価値の下落を危惧する声もある。

 水害といえば、過去には東日本大震災で千葉県の浦安市も大きな被害を受けた。もともと海だった場所を埋め立てて造成した土地が、激しい揺れによって液状化現象に見舞われた。そのため、浦安市の一部では、地価が一時約40%も下落するなど、資産価値が大幅に失われた。

 不動産鑑定士の藤田勝寛氏によれば、武蔵小杉では大幅な資産価値の下落は発生していないが、被害のなかった他のタワーマンションに暮らす住民からは懸念の声も上がった。

「けっこう頑張ってローンを組みましたが、他人事ではない。風評被害が収まらなければ売却もままならない。うちには小さい子供もいるし、ローンが半分以上残っている。不安は募るばかりです」(40代男性)

 今回の被災で、30分以上かけて階段を上がっていたという70代男性は、こうこぼした。

「高層階の眺めはすごくて気持いいんだけどね。でも、階段はさすがにきつかったなあ。家内は膝の状態があまり良くないし、少し落ち着いたら部屋を貸し出して、同じ市内で戸建てを借りようかとも考えているけどね。管理組合は『風評被害を防ぎたいので、マスコミに話はしないでほしい』と言うけど、実際、電気も水道もやられたわけだしね」

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。