ビジネス

「今日、ケンタッキーにしない?」KFC絶好調を支える名コピー

今や「特別な時の食事」ではない?(ケンタッキーのオリジナルチキン)

今や「特別な時の食事」ではない?(ケンタッキーのオリジナルチキン)

 CMでは、家族の夕食の場にフライドチキンが登場するものもある。この時、家族はご飯と一緒にフライドチキンを食べているのだ。こうした「日常食」として表現することによって新たな需要を喚起したという点でも、KFCのCMは高く評価されている。

 広告業界のクライアントからは、成功している企画を例に“○○みたいなことをしたいんだけど……”という声がよく聞かれる。たとえば今回のコロナ自粛期においては、ポカリスエットがウェブ会議ツールのZoom風画面で高校生が歌うCMをスピード感を持って発信したが、実際に他のメーカーから「ポカリスエットみたいな企画をしたい」といった声も出ているという。

 そして、外食産業からは、「KFCみたいなことをしたい」という声が数多く出ているという。それこそ、ファミレス、回転寿司、牛丼、ハンバーガー、うどんなど、ありとあらゆる外食産業の巨大資本が「日常食」「そういえばあったな」といった感覚を消費者に持ってもらいたいと考える状況にあるからだ。

 元々KFCはテイクアウト向け需要が多かったことは事実だが、コロナ禍でも好業績を続けていることから、前出のプランナーは、「KFCのこのコピーが、今後ますます“神格化”していくのでは」と見ており、次のように続ける。

「コロナが収束した後も、外食産業をクライアントとする場合は、『KFCはこの状況下でも大成功した。同じようなことをできないか?』といったオーダーが出てくると思います。我々もそれに応えられるものを考えたいですが、『今日、ケンタッキーにしない?』を超えるものを作るのはけっこう難しいですよね……。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。