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昭和の大スター・森繁久彌さんが遺言書を残さなかった真意

 森繁家は、父より先に長男が他界していたこともあって、嫁いでいる長女と相談して、次男である建さんがすべてを相続した。購入時は2億円だったモーターヨットは3000万円で売却し、車やゴルフ場は知人に引き継いでもらった。骨の折れる作業だったわりに、手元に残るお金はほとんどなかった。建さんは、それも父らしいと言う。

「終戦後、父は満州からの引き揚げ船で、祖母と母、私たち子供3人とともに佐世保港に上陸しました。そのとき、父の話では1人につきおよそ1000円、計6000円の支度金を渡されたそうです。敗戦ですべてを失い、再スタートのときに手にした6000円だったものですから、それ以降、『死ぬときに6000円あればいい』が父の口癖になり、子供に財産を残そうという考えはありませんでした」

 大スターの豪快さにはちゃんと理由があるのだ。

※女性セブン2020年7月9日号

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