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ウィズコロナ時代のマンション 郊外、災害、多様性がテーマに

非常用飲料水生成装置などのマンション防災設備

非常用飲料水生成装置などのマンション防災設備

──大型マンションが乱立しているなか、どこで差別化を?

池上:大きな特徴は災害対策です。当社では1995年の阪神淡路大震災後から、災害対策に積極的に取り組んでいます。

 前述のタワーマンションでは電気室関係はすべて止水対策を施していますし、貯水槽の水や井戸水などを飲料水に生成できる非常用の機械を装備しています。発電機が付いているので電気が止まっても大丈夫です。

 今後、新しいマンションにはICT(情報通信技術)などを活用し、さらに便利な機能を採用していきます。

 すでに一部の賃貸マンションでは実施済みですが、建物に気象センサーを設置して居住者へタイムリーにそのエリアの気象情報を提供したり、振動センサーが検知した結果により、防災倉庫の扉を開錠したり。また、タワーマンションはどうしても自然光が入ることが少ないので、自然光と同じように体感できる照明器具なども技術開発によって可能になってくると考えています。

──施工累計戸数が65万戸もあると大規模修繕やリフォームでも伸びしろがありそうです。

池上:全国には650万戸超のマンションがあるといわれているので、当社が施工したマンションはその1割を占めることになります。グループにマンションの管理やリフォーム、賃貸、流通仲介の会社もあるので、新築だけでなく、入居後のサービスも一気通貫でできるのが強みです。

 屋上防水や鉄骨階段の塗装など、保証期間を延ばす工法も開発していますし、生活への影響が少ない低振動、無騒音の耐震化工法を開発しました。

 いつまでも快適に暮らせる安心のマンションを今後も提供していきます。

【PROFIKE】いけがみ・かずお/1957年、神奈川県生まれ。1980年早稲田大学理工学部卒業後、長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)入社。2008年執行役員、2014年取締役兼常務執行役員、2017年同兼専務執行役員。今年4月より現職。

●聞き手:河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2020年9月4日号

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