家計

有料化で逆に高まるレジ袋需要 買い物シーンはどう変わった?

必ず“一番大きいレジ袋”を買う

 また、会計時に必ずレジ袋を購入するのは、都内に住む自営業Bさん(40代男性)だ。

「レジ袋を毎回買うのは、単純にエコバッグを持ち歩くという習慣がないというのが一番の理由です。かばんを持っているときであれば、そこに商品を入れることもありますが、それは少量のときや濡れていないもの限定。あと、コンビニだと、レジの前でまごついてしまうのも嫌。1回数円で快適に買い物ができるなら、そっちのほうがいいと思っています」

 そんなBさんは、有料化になって以降、レジ袋を無駄にしなくなったという。

「大きめのレジ袋はゴミ袋なんかに活用していたんですが、小さいレジ袋はそのまま捨てることが多かった。でも、有料化されてからは、必ず一番大きいレジ袋を買って、それをゴミ袋にしています。“1回運んで終わり”ということはなくなったので、そういう意味ではレジ袋の節約になっているんじゃないかなと思っています」(Bさん)

コンビニよりスーパーで買い物

 レジ袋に関するやりとりが面倒で、コンビニで買い物をする機会が減ったという人も。神奈川県在住の会社員Cさん(20代女性)は、こう話す。

「今はマスクをしていることもあって、店員さんの『レジ袋どうしますか?』といった言葉が聞き取りづらいことも多い。聞き返すのもなんだかわずらわしくて、あまりコンビニには行かなくなりました。レジの前でいそいそとエコバッグに入れるのも面倒だし……。買うとしても、ペットボトル1本とか、明らかに袋が要らないようなものだけですね。最近の買い物は基本的に荷詰め台があるスーパーになりました」(Cさん)

 レジ袋に関しては、トラブルの原因にもなっている。前出・小浦氏が言う。

「新型コロナウイルスの影響で店員も客もマスクをしているうえ、透明のシートがかかっていることが多く、とにかく会話が聞き取りづらい。

 結果として『レジ袋は要らない』と言ったのに聞こえていなかったり、その逆があったりと、いろいろとトラブルになりやすい状況です。また、様々な決済サービスがあるいま、『クレジットカードで』『楽天ペイで』『QUICPayで』『PayPayで』『Suicaで』などとった説明も必要になり、そこでも色々なすれ違いが起きやすい。レジ業務のオペレーションがあまり上手くいかないことが増えているのは事実です。

 また、エコバッグを裸で持っていると万引の疑いがかけられるということもあり、かばんの中にエコバッグを入れているお客さんも多い。そうなると、かばんからエコバッグを取り出す作業が増えるので、スーパーの荷詰め台が混雑しやすくなる。“密”を避けたい今の事情を考えると、これもまた問題です」

 レジ袋が有料化した世の中に慣れるには、もう少し時間がかかりそうだ。

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