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宮崎「餃子日本一」で三つ巴の戦いに 浜松「残念」、宇都宮「順位は関係ない」

年間購入額1位となり、宮崎市から贈られた感謝状とともに記念撮影をする宮崎市ぎょうざ協議会の人々(写真/宮崎市ぎょうざ協議会提供)

年間購入額1位となり、宮崎市から贈られた感謝状とともに記念撮影をする宮崎市ぎょうざ協議会の人々(写真/宮崎市ぎょうざ協議会提供)

 コロナ禍で飲食業界を取り巻く環境が大きく変化する中、日本の餃子消費事情に大きな変化が訪れている。餃子と言えば宇都宮(栃木県)や浜松(静岡県)が有名だが、総務省が2月上旬に公表した2021年の家計調査では、餃子の1世帯当たりの年間購入額で宮崎市(宮崎県)が初めて1位となり、過去20年以上続いた餃子業界の勢力図を塗り替えたのだ。

 餃子の年間購入額を巡っては、これまで宇都宮市と浜松市が長年首位を競ってきた。だが今年は、宮崎市が4181円、浜松市が3728円、宇都宮市が3129円と、餃子の2強都市を大きく引き離して宮崎市が「日本一」となった。一般社団法人焼き餃子協会・代表理事の小野寺力さんが話す。

「宮崎市は、2018年と2020年にも年間購入額3位に浮上し、2021年上半期には1位を獲得したことで大きな話題となりました。下半期をどう維持するかに注目が集まっていましたが、ついに年間でも1位を獲得。宮崎が宇都宮、浜松の2強を切り崩したことは、餃子業界の常識を変える大きな出来事だと言えます。『餃子の街は宇都宮、浜松の2都市だけじゃない』ということを知らしめた面白い結果なのではないでしょうか」

 宮崎市ぎょうざ協議会の渡辺愛香会長は、1位獲得の喜びを隠さない。

「2020年は残念ながら3位に終わってしまいましたが、2021年上半期に1位となったことで、『これはなんとしても1位を獲るぞ!』という思いの中、この1年宮崎市民一丸となって認知向上に努めてきました。無事1位を獲得できて、これまでの努力がようやく実を結んだ思いです」(渡辺会長・以下同)

 実は、宮崎市ぎょうざ協議会の設立は2020年と最近のこと。設立からわずか1年で1位獲得の快挙である。

「2021年上半期に1位になったことを受けて、業界では『そんなに食べられているの?』という驚きも出ていました。当たり前のように餃子を食べる習慣がある宮崎市民としては、改めて数字で示されたことで、コロナ禍で飲食業界全体が落ち込む中、一筋の光が見えたような気持ちでした。私自身、父親が餃子の卸しの会社を経営していたことから業界に馴染みが深く、新たな街おこしに向けて今立ち上がるべきなのでは、と思い立ち協議会を設立しました。

 立ち上げた当初は右も左も分からない状況でしたが、縁あって柔道家の井上康生さんやバレエダンサーの西島数博さんを宮崎餃子大使に任命させていただいたり、コロナ禍でも月に2回程度は感染対策をしながらイベントを開催したり、ポスターや餃子マップの作成などで官民一体となって協力していただいたおかげで、2021年下半期は盛り上げに貢献できたのではないかと思います」

宮崎市の清山知憲市長(左)から感謝状を受け取る宮崎市ぎょうざ協議会の渡辺愛香会長(写真/宮崎市ぎょうざ協議会提供)

宮崎市の清山知憲市長(左)から感謝状を受け取る宮崎市ぎょうざ協議会の渡辺愛香会長(写真/宮崎市ぎょうざ協議会提供)

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