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リタイア後の近所付き合い「うっかり自治会役員」の誤算 負担の大きさにうんざり

自治会の役員が想像以上の負担になったという(イメージ)

自治会の役員が想像以上の負担になったという(イメージ)

 老後の生活設計を考えるうえで、重要な人間関係の整理。定年退職後、Fさん(66歳男性)が煩わしい人間関係から解放されたと思ったのも束の間。隣人から「定年後は近所付き合いを大切にするといい」と言われ、自治会役員になってしまった。

「最初は、リタイア後の緩い人付き合いのつもりでしたが、想像以上の負担でした。自治会でも役員は人付き合いの“濃度”が違う。この2年はコロナ禍で対面での月例会はないですが、何かにつけて『ホウレンソウ(報告・連絡・相談)』を求められる。消防団とも連携しているので、ちょっとしたボヤ騒ぎでも召集がかかるほか、他の役員から詳細な報告を求められ、うんざりしています」

『“町内会”は義務ですか?』の著者であるライター・紙屋高雪氏が言う。

「基本的に町内会は任意加入の団体なので、『脱退します』と言えばやめられます。周囲からは『近所付き合いに消極的な人』と認知されるので、効果があるのではないでしょうか。脱退直後はご近所関係が多少はギスギスするかもしれませんが、マナーを守って暮らしていれば不利益を被ることはないでしょう」

 友人関係も同様だ。「もともと社交的なほうではない」と自認するGさん(68歳男性)がぼやく。

「定年してから一段と人付き合いが面倒になっています。最も煩わしく感じるのは『近況伺い』の連絡です。数年前に年賀状はやめましたが、携帯やメール、SNSで連絡があれば対応せざるを得ない。友人知人、会社の元同僚など、同世代たちは暇を持て余しているんでしょう。そこで、思い切って携帯番号やメールアドレスをすべて変えることにしました。それで随分人間関係をスッキリできたのですが、困るのが、自宅に贈り物が届けられるケース。添え状に『新しい電話番号を教えてほしい』などと書かれていると、困り果ててしまいます(苦笑)」

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