東京23区のマンション市場は、「待てば売れる」という強気の姿勢が通用しないフェーズへ移りつつあるという(写真:イメージマート)
これまで高騰を続けてきた東京の中古マンション市場が、新たな局面を迎えている。東京カンテイの調べによると、2026年8月の東京都(市部を含む)の中古マンション価格(70平米換算)は、前月比0.2%下落の1億1274万円と28か月ぶりに下落した。一方、東京23区では前月比0.4%下落の1億2677万円となり、3か月連続で下落した。
「東京23区の中古マンション市場は調整期に入り、すでに値下がりが始まったと捉えています」
そう分析するのは、『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏だ。不動産情報サイトに掲載されている価格だけでは、市場の実態は見えにくいと指摘する。
「SUUMOなどの不動産情報サイトに掲載されているマンション価格は、あくまで売り主が『この価格で売りたい』という希望価格です。なかには、相場よりかなり高めの“チャレンジ価格”で売り出す人もいます。マンション価格が上昇し続けていた頃は、それでも買い手がつくことがありましたが、今はもう通じません。物件の流通が重くなり、販売期間も長期化する傾向にあります」(以下、「」内コメントは榊氏)
販売長期化が示す“値崩れ”の予兆
実際の成約・取引価格には下落の動きが表われているというのが榊氏の見方だ。投資目的ではなく、自ら住むためにマンションを購入する実需層にとって、価格の下落は歓迎すべきことではあるが、一方で購入した物件の価格が買ってからどんどん下がり続ければ心穏やかではいられない面もあるだろう。
そこで、マネーポストWEBでは、「販売日数」に着目した首都圏の「危ない駅ランキング」を作成した。不動産ビッグデータをAI解析するエステートテクノロジーズの協力のもと、マンションの売り出しから成約までの「販売日数」を駅ごとに算出。前年と比較して販売期間が長期化した割合を「悪化率」としてランキング化している。
「販売日数が長期化して売れない物件は、値引きせざるをえなくなる。『値下げしないと売れない物件』とも言えるでしょうね。中古市場全体で物件の流通が重くなっていて、買い手がつかなくなっているのが現状です」
こうした市況の影響を大きく受けるのは、どのような人たちなのか。
