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投資

「知らなかった…」海外転勤するとNISAが原則利用できなくなる 保有継続の条件と、海外赴任中にできる資産運用の選択肢を解説

税制改正に対応している金融機関は少ない

 ただし、実際に改正に対応している金融機関は少ないことには注意が必要です。2024年1月時点、手続きをすれば出国後も最長5年間NISA資産を保有できるのは、野村証券やみずほ証券など一部の証券会社のみです。

 楽天証券やSBI証券では国内株式(ETF・REIT等除く)のみ保有できますが、投資信託は課税口座に払い出すか売却しないといけません。そのほかの多くの証券会社は改正に対応しておらず、NISA口座の継続ができなくなり課税口座への払い出しか売却となります。

 また、そもそも海外赴任で長期間海外に住む場合は、証券会社の総合取引口座自体を解約しなくてはいけないか、もしくは保有できる商品が限定されることとなります。要するに、「長期・積立・分散」という投資戦略が続けられなくなるのです。

海外赴任中にできる運用方法は?

 それでは、海外赴任中に運用したい場合はどんな選択肢があるのでしょうか。

【1】iDeCo・企業型確定拠出年金での投信積立

 会社員が海外赴任する場合など、国内の厚生年金保険適用事業所での雇用関係が継続したまま海外で勤務する場合は、原則、健康保険や厚生年金保険の加入も継続します。そのケースであればiDeCoや企業型確定拠出年金を継続できるため、海外在住中も投資信託を積立することが可能です。勤務先で確定拠出年金に加入していてもマッチング拠出をしていない人はiDeCoに加入できますので、積立投資をしたい人は、国内にいる間に手続きをしておくと良いでしょう。

【2】NISA資産の保有(対応している金融機関は限られる)

 先述のように、NISAで資産を運用していた人が海外赴任する場合は、最長5年間保有できる証券会社であれば、新規買付はできませんが運用を継続することが可能です。冒頭のお客様のようにこれから新NISA口座を開設するのであれば、現時点で対応している証券会社を選ぶことも一手でしょう。

【3】日本株式・個人向け国債の保有(対応している金融機関は限られる)

 源泉徴収ありの特定口座は廃止する必要がありますが、一般口座で保有を継続できる証券会社であれば可能です。ただし株主優待などは国内にしか発送されませんので、受け取れる住所を証券会社に連絡するなど手続きをしておきましょう。

【4】現地銀行での定期預金

 赴任先での給与振込は、現地銀行となる場合が多く、その銀行で定期預金等を活用することが可能です。ただし、日本帰国時には解約しなければならないことと、為替リスクがあることには注意が必要です。

海外赴任で使える運用手段は?

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