東京23区で大学進学率の格差はどれほどか(東京大学。写真:イメージ)
東京の中心に位置する23の特別区。総務省の人口移動報告によると、東京都は転入者が転出者を6万人超上回る「転入超過」で、伸びは鈍化したものの全国最多となっている。神奈川、埼玉と続くが、いずれも超過は2万人台とその差は大きい。日本全体が高齢化による人口減少に見舞われるなか、異質の存在だろう。
ただ、東京の中心部である23区も、それぞれに大きな違いがある。「地価」や「所得」といった代表的な指標を見ても“格差”は明確だ。『東京23区×格差と階級』の著者で早稲田大学教授の橋本健二氏は、「その格差は拡大傾向にある」と指摘する。
「東京は『中心と周縁』『東と西』という2つの軸で格差が構造化され、広がってきました。歴史的には江戸時代の空間構造がそのまま残り、江戸城(現在の皇居)を中心に西側には武家屋敷から高級住宅街が広がり、東側は町人の街であり続けた。西と東の違いはそのまま周縁部へと拡大していったのです」
私立、国立の中学校は西側に多い
具体的にどのような格差があるのか。データで見ていきたい。東京23区研究所所長の池田利道氏の協力により、最新のデータから「人口動向」や「住宅地地価」「所得水準」といった9項目をランキング化。区ごとにどれほどの格差があるのか、分析していく。
大学進学率も区ごとの差は大きい。大学進学率が最も高いのは渋谷区の82.1%で、目黒区、文京区、千代田区、港区で8割を超えた。大学進学率が最も低かった荒川区(49.7%)との間には、実に30ポイント以上もの開きがある。もっとも、池田氏が集計で参照した「学校基本統計(2023年3月値)」は学校の所在地別でデータを取っており、生徒の居住地別ではない。
「渋谷区、目黒区、文京区には私立学校が集中しており、大学進学率が高いのはこのためです。全くの余談ながら、東大合格者数最多を維持し続けている開成高校は荒川区にあります」(池田氏)
教育への熱心さを図るものさしとして、“受験熱”に注目してデータを見るのが、『データでわかる東京格差 数値の「可視化」で真実をあぶりだす』(SB新書)の著者・にゃんこそば氏だ。
「特に首都圏では小学校・中学校の受験が過熱していますが、その熱量は住む場所によって異なります」
