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周りにも価値観押し付け… 辟易とする「行き過ぎたミニマリスト」たち

「モノを自分にとって必要なものだけにとどめる行為は、合理的でいいことだと思います。そこは否定しません。でも、それで他人に不便を強いたり、価値観を押し付けるのは何か違う気がします。人間的には、僕はズボラだったころの彼女の方が好きでした」

 ミニマリストになることで人が変わってしまうというケースは、しばしば起こり得るようだ。30代女性会社員・Bさんの友人も同様だ。

「大学時代の友人が近所に住んでいることがわかって、家にお邪魔したら、びっくりしました。殺風景な部屋で家電や家具がなく、まるで引っ越ししたばかりの部屋。友人は『持たない生活が快適』だと話していて、大学時代のモノにあふれていた彼女の部屋を知っていた私は、人って変わるものだな、と感心したものです」

 Bさんによると、その友人宅には洗濯機も冷蔵庫もない。洗濯はコインランドリーで済ませ、クーラーボックスで必要な食べ物しか保存しない。掃除は掃除機ではなくほうきとチリトリ。服はユニクロかGUで、化粧もほとんどしていない。財布は名刺入れで代用するコンパクトさだ。

「もともと“シンプルな暮らし”に憧れていたらしく、たどり着いたのがミニマリストだったようです。最近は『スマホの通知も嫌』ということで、すべての通知をオフ。そのため連絡が取りづらいようで、他の共通の友人たちからは、『伝えておいて』といったように、近所にいる私への連絡が増えました(笑)」(Bさん)

 ミニマリストになるつもりはなかったが、いつの間にか似た存在になっていた人もいる。30代のフリーライター・Cさん(男性)だ。物欲がなく部屋も殺風景で、ユニクロで購入した同じ色のシャツをいつも着用しているため、“ミニマリスト”ということにしていたという。

「仕事をするのは家かカフェ、ときにはビジネスホテルということもありました。色々と面倒だったので、冷蔵庫も洗濯機も買わずにそのまま。都内ならどうにでもなります。風呂はジムのシャワー、夏場以外は服や下着を何日も取り替えないこともありました。仕事が忙しくて、人間関係も取引先以外はほとんどなく、友人との連絡もほぼなくなりました。ある意味それもミニマリストです(笑)。確かにラクですけど、人生に色がないというか、味気ないものです」

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