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コロナ禍で40~50代の終活が増加、寺がLINEやZoomで相談受付も

築地本願寺では勤行がインターネットのライブ配信で見られる

築地本願寺では勤行がインターネットのライブ配信で見られる

「しんどい時こそ宗教者に頼って」

 その動画を見るため、築地本願寺のホームページにアクセスすると、本堂内の様子のライブ画像も配信されていた。6時から16時すぎの開門時間中、堂内にカメラが据えられ、パソコンからお参りができるのだ。7時~、16時~の勤行の時間には、僧侶が読経する声も姿も映し出される。1日のアクセス数は約350回だそうだ。

 オンラインでの相談に力を入れる寺院も出てきた。浄土宗の應典院(大阪市天王寺区)。かねてから終活や仏事に関する「おてら終活・宗活よろず相談」の窓口を設けていたが、4月27日に電話のほか、LINE、Zoomでも受付を開始した。相談員の終活カウンセラー、斎藤佳津子さんは、

「こんな時期ですから、日常のお困りごとの相談が多いのかと思いきや、ほとんどがお墓についての相談です。それも、以前は50代以降のかたから親のお墓の相談が多かったのに、10才若返りました。40代のかたが自分のお墓について相談されます」

 應典院の本寺・大蓮寺も、納骨堂(1人専用35万円~)を擁す。前出の青山霊廟で聞いた「コロナ禍で、死が“自分事”になった」との指摘と符合する。

「気持ちが落ち込む時、しんどい時こそ、宗教者に頼ってください」と、超宗派の僧侶らで組織する一般社団法人「恩送り」代表理事の新田崇信さんは話す。恩送りでは、昨年、「供養の窓口」と銘打つ「法要館」(千葉県松戸市)を設け、遺骨預かり(1か月2000円)を始めた。単なる預かりではなく、毎日、線香、花、読経を欠かさない。

 すでに約100人の骨壺を預かっているが、コロナ禍で問い合わせが増加したという。さらに、恩送りメンバーの僧侶によるお墓参り代行(1万円)を松戸市と都内一円でまもなくスタートする。墓前に花を手向け、読経し、その様子をスマホのビデオで依頼者にリアルタイムで送る試みだ。

 長期的な新型コロナウイルスとの共生が始まった今、お墓、お寺との関わりも変容の時代を迎えている。

※女性セブン2020年6月11日号

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