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庄野真代、66才の快適ひとり暮らし 家族同居より「気持ちが自由になれる」

「66才という、いまの年齢が大好き」と語る庄野真代

「66才という、いまの年齢が大好き」と語る庄野真代

 高齢化が進む日本社会。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2015年に全国で625万世帯だった65才以上の高齢者のひとり暮らしは、2040年に896万世帯まで増えるという。これにより、高齢者世帯のうち40%がひとり暮らしになると見込まれる。

 高齢のひとり暮らしというと、身体機能の低下によるケガや病気になった際のリスクが考えられ、家族との同居や施設に入居する方が安心した日常生活が送れるはずと考える人は多いだろう。

 ところが大阪府門真市・つじかわ耳鼻咽喉科院長の辻川覚志さんが2012~2014年にかけて60才以上の男女約1000人に聞き取り調査をしたところ、配偶者や子供など家族と同居する人よりも、ひとり暮らしの人の方が、すべての年齢層で日常生活に対する満足度が高いことが明らかになった。

 大勢のスタッフやファンに囲まれ、華々しい芸能界で生きてきた有名人の中にも、ひっそりと、ひとり暮らしを満喫する人は多い。

「いまは一年一年が毎年楽しくて、おもしろい方向に転がっています」

 そう笑顔で語るのは、今年歌手活動45周年を迎える庄野真代(66才)だ。『飛んでイスタンブール』の大ヒットで知られる彼女は現在、都内にある一戸建てにひとりで暮らす。

 1976年のデビュー翌年に作曲家の小泉まさみさんと結婚した庄野は2人の娘に恵まれたが、33才のときに離婚。以降はシングルマザーとして、仕事と育児の両立に奔走した。

「あの頃は、毎日、学童保育のお迎えに間に合うかヒヤヒヤして、ママ友や大家さん、時には大阪の母親にも来てもらって周囲に助けられていました。家事をがんばる一方で歌手活動が疎かになっているのではないかと悩み、夜中に子供のお弁当を作っていると、『明日のコンサートでは笑顔で歌うのに、どうしていま、こんなにつらい思いをしているんだろう』と、つい考えることもありました」(庄野・以下同)

 44才のときに事故と病気で立て続けに入院し、“命は有限だ”と実感した庄野は一念発起して2000年に法政大学人間環境学部に入学。環境問題を学び、その後にイギリス留学も経験した。

 そんな彼女がひとり暮らしを始めたのは、50代半ばの頃だった。

「下の娘が嫁いで、いよいよひとりになるかと思ったら、上の娘が小1の孫を連れて出戻ってきました。最初は楽しかったけれど、朝起きるとテレビには子供番組が流れている。もっとゆっくりしたくても、孫や娘が支度する中で寝ているのは気が引けた。仕事中に孫が部屋のドアをコンコン叩いて遊びにくるのも邪険にできない。そうしたことが重なって、だんだん同居することがつらくなってきたんです。娘や孫のことに一生懸命になるのではなく、『できることだけする。できないことはできない』が私の信条なので、最終的に私が家を出ました(苦笑)」

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