キャリア

短大卒の一般職女性社員が超有名企業で“欠かせない存在”になった経緯

お偉方はみんな知り合い、肩書きも同期より上

 50代や60代のおじさん連中の輪に若い女性がひとり入れば、チヤホヤされる図は目に浮かぶ。そうして可愛がられているうちに、ヒロミさんの社内人脈はどんどん広がっていく。

「Mさんはその後、グループの社長にまで上り詰め、社内でも完全に“雲の上の人”になりました。けれども私は下の名前で呼べる関係ですし、Mさんの周りを固める上層部も知り合いだらけ。同期や上司がガチガチに緊張して話すような人も、私は『どうも久しぶりです~~』といった感じなので、どこの部署に行っても“偉い人と仲が良い人”として一目置かれています」

 ヒロミさんにしてみれば「ただ単に昔から知っているだけ」だが、周りはそうは受け止めない。同期や後輩はもちろん、上司から「○○さんに話を繋いでもらえないか」などと頼まれることもあるのだとか。さらに追い風は吹き続ける。

「最近になって、女性の管理職が少ないことが社の内外で問題視されるようになり、入社年次が古いというだけで、管理職に出世してしまいました。周りには東大や京大卒の同期がゴロゴロいるのに、短大卒の私が肩書きでは彼らより上なのは申し訳ないのですが……」

“肩書きだけ高いが、たいした仕事はしていない”と謙遜するヒロミさんだが、上層部の覚えは極めてめでたい。ヒロミさんのことをよく知る同僚の男性はいう。

「彼女に任せれば、接待や飲み会のセッティング、冠婚葬祭や贈り物などの手配はバッチリですし、ゴルフやカラオケでの立ち回り方も完璧です。一方で、偉い人が若い頃にやらかした失敗談を知っていますし、社内政治にも詳しいので、彼女の機嫌を損ねるなんてとんでもないこと。若い女性社員とも一緒にランチに行ったりして、そのハートもがっちり掴んでいるので、もはや仕事が出来る・出来ない云々の存在ではありません」(同僚の男性)

 かくして社内で“女帝”のような立場になってしまったヒロミさん。時代の追い風もあったとはいえ、社内人脈という大きな財産を築き上げたコミュニケーション能力こそが、彼女最大の才能だったのかもしれない。ちなみに彼女の中ではいまだにバブル期は続いているようで、海外旅行や美食三昧により、実家暮らしなのに「貯金が100万円を超えたことはない」そうだ。

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