マンション価格の高騰で買いたくても買えない状況に(イメージ)
首都圏における新築マンションの供給戸数は、年々減少を続けている。不動産経済研究所が2026年1月26日に公表した「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2025年のまとめ」によると、首都圏(1都3県)の新築分譲マンションの供給戸数は、前年比4.5%減の2万1962戸で、1973年以降で最少を更新したという。2015年は約4万1000戸だったので、およそ10年でほぼ半減したことになる。一方、平均価格は9182万円、平米単価139.2万円で、いずれも最高値となった。
市場経済の原則から言えば、販売価格が上がっているのなら供給が増えてもよさそうだが、逆に減少しているのはなぜか。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏が解説してくれた。
「『建てても売れない』状況にあるため、デベロッパーが供給を絞っていることが大きな理由のひとつと考えられます。港区や千代田区、中央区などの都心部の物件は、富裕層が投資目的で買うので売れますが、マンション市場は住宅ローンを組んで実際にそこに住む実需層が支えていて、価格が上がりすぎて実需層が買えなくなっています。
実需層が買えるマンションは、一般には世帯年収の7倍までといわれていて、世帯年収1500万円のパワーカップルでもペアローンで約1億円が限度。1億5000万円の物件は年収の10倍になりますから、50年のペアローンでも組まないと買えません。金融機関は、住宅ローンが焦げ付いても信用保証協会が弁済してくれるので、これまで甘い審査で通してきましたが、徐々に厳しくなっています。ですから、1億円を超えると買う人が急激に減っていきます。
一方で、建築資材も土地代もインフレで値上がりし続けているので、都心部や人気エリア以外でも、新規で建てると軽く1億円を超えてしまう。『売れそうにないから建てない』というのが実態です」(以下、「」内は榊氏のコメント)
