必要な項目を見積もり段階では含めず、事後に突然請求
不景気や葬儀の小規模化といった時世から葬儀の単価は年々下がっており、葬儀社にとっては、売上のために「追加販売」が重要になっています。業者によっては、そうした追加販売が担当者の評価や歩合に結びつくこともあります。ただし、見積もり金額が高額になると当然、断られる可能性も高まります。そのため本来発生する必要な葬儀費用の項目を見積もり段階では含めず、後から突然請求する悪質なケースが出てくるのです。Aさんは、こうした悪質な手口にあった可能性があります。
以前、茨城県の葬儀社が、パンフレットに「会員価格88万円パック」「追加オプションの心配なし」などと表示したにもかかわらず、葬儀後に飲食費や搬送の料金を追加請求していました。80件の葬儀で、1件あたり平均約33万円を追加請求していたとのことです。この葬儀社は景品表示法違反で、2012年に消費者庁から行政処分を受けています。
突然遺族になったAさんには、葬儀を行う上でどの項目が必要で、どの項目が不要かということはなかなか分からないため、事前に見抜くことは難しかったでしょう。
他には、火葬費用を見積もり段階で説明しないケースもあります。
火葬場の費用が有料の地域では、必須項目なので事前にいくらかかると遺族には必ず伝えるべきです。しかし「火葬場の費用は、葬儀屋さんに支払われる費用ではないので、葬儀費用ではない」というおかしな理屈を付けて、見積もりの段階で、遺族に伝えない葬儀屋さんもいるのです。打ち合わせの段階で葬儀費用を少なく見せるためです。