年々上昇するマンションの修繕積立金の負担は軽くない(写真:イメージマート)
建築資材や人件費、地価の高騰を背景に、新築マンション価格は上昇を続けている。新築に引っ張られる形で中古マンションも値上がりし、「マンションは買ってしまえば家賃を払わなくて済む」「資産価値も期待できる」と考える人は少なくない。だが、購入後も所有者には重い負担が待ち受けているという。
修繕積立金の負担が想定以上に膨らんでいる
マンションでは建物の維持管理のために修繕積立金を支払い続ける必要があり、その金額は年々上昇するのが一般的だ。さらに近年は建築資材や人件費の高騰によって修繕工事費も急上昇し、当初の計画が成り立たなくなるケースが相次いでいるという。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏は、「修繕積立金の負担が想定以上に膨らむマンションが増えている」と警鐘を鳴らす。
「新築購入時に渡される長期修繕計画書には、何年後にはいくらに上がると書かれていて、通常5年から10年ごとに引き上げられます。1万~1万5000円程度でスタートした場合、10年後には約1.5倍、20年後には約2倍、30年後には2~3倍と増えていくのが一般的です。ところが、修繕費が高騰しているため、今まで積み立ててきた修繕費では足りなくなった管理組合が続出し、各戸から一時金を徴収したり、積立金を大幅に値上げしたりするところが増えています。なかには10年で4倍になったケースもあります」(以下、「」内は榊氏のコメント)
マンションは一般的に12~15年周期で大規模修繕を行なう。これは法律で周期が定められているわけではないものの、「区分所有法」によって区分所有者には建物を適正に維持管理する責任が課されており、修繕は事実上避けて通れない。修繕工事にかかる費用が膨らめば、その負担は最終的に区分所有者に跳ね返ってくることになる。
これがタワーマンションになると、修繕費はさらに跳ね上がるという。超高層階では通常の足場が組めないため、ゴンドラや移動式足場が必要になり、高層階への給水ポンプや高速エレベーター、免震装置などメンテナンス費用が高い設備もあるからだ。最初は他のマンションの1.5倍程度だが、築20年を超えると3~4倍に跳ね上がるのが一般的だという。
