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「認知症の親の年金」を子が管理するための3つの方法

親の医療保険を使いたいなら?

■「親の年金」で特養の費用を払いたい
 年金の振り込みは本人名義の口座しか指定できない。「家族信託」は裁量権は広いものの、信託口座は子名義になるから年金は扱えない。この場合、「任意後見」と「財産管理委任契約」の組み合わせがベストだ。親がしっかりしているうちは「財産管理委任契約」に基づいて親の年金口座から引き出して費用を支払い、親の認知症が進んでからは任意後見人として親の年金を引き出して支払う。

■「親の貯金」で親の生活費や実家の固定資産税を払いたい
 これは家族信託が便利だ。「生活費や医療費、税金の面倒を見る」などの契約を結んで親の預貯金を子が信託口口座に移しておけば、支払うことができる。

■「実家を売却」して親をホームに入れたい
 これも家族信託。実家を信託財産にして、受託者(子)に不動産の処分権を与える契約を結ぶ。親に受益がなければならないが、親の老人ホームの入居一時金であれば目的にかなう。

■「親の医療保険」で入院費を払いたい
 家族信託では、信託契約締結後に親の口座に振り込まれた保険金は管理の対象外だ。親ががんになって治療費を保険金で払う場合、任意後見であれば可能だ。

 年金改正がもたらす影響の範囲は、夫婦の「老後資産」の増減だけにはとどまらない。親から自分たち夫婦、そして子や孫へと3世代、4世代の「家族の資産」の移転にもかかわってくる。だからこそ、改正の内容をよく知り、対策を準備することが大切なのだ。

※週刊ポスト2019年12月20・27日号

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