東京23区の「面積あたりの診療所数」は中央区がダントツの謎(写真:イメージマート)
東京の中心に位置する23の特別区。ただ、生活に直結し、住み心地を左右する項目でも23区ごとに差がある。具体的にどのような格差があるのか。データで見ていきたい。東京23区研究所所長の池田利道氏の協力により、最新のデータから「人口動向」や「住宅地地価」「所得水準」といった9項目をランキング化。区ごとにどれほどの格差があるのか、分析していく。
下町には大規模な病院が多く、山の手には診療所が多い
医療の充実度を測る一つの要素が医師の数だ。人口1万人あたりの医師数でトップだったのは千代田区の286.5人。文京区、新宿区と続く。一方、少ない順でみると、荒川区(12.7人)、江戸川区(13.7人)、練馬区(16.5人)など23区内でも周辺に位置する区が並んだ。千代田区の人口あたりの医師数は、荒川区の約23倍に上る。まさにケタ違いの差だ。
同じ23区内でも中心部に医師が集中し、下町エリアでは相対的に医師が少ない傾向が見て取れる。池田氏はこう分析する。
「中心部に医師が集中しているのは大学病院が多いからでしょう。その一方で、下町エリアには大規模な病院が多く、病床数で見ると、トップは板橋区で、2位は足立区になります。下町のほうがまとまった土地を確保しやすかったからだと考えられます。
また、山の手エリアは大規模な病院が少ない分、診療所が多い。これは下町エリアで診療所が少ないのと対照的です。山の手では、住宅開発に溶け込む形で、人口が増えるのとともに診療所が増えた結果でしょう」
こうした分類に当てはまらない例外的な数字を示しているのが中央区だ。1平方キロメートルあたりの診療所数が76.2施設とダントツで、最下位の足立区(8.5施設)のおよそ9倍になる。
「中央区に診療所が多い理由は、昼間人口の多さに関連する部分が大きいと言われていますが、それだけでは昼間人口がより多い千代田区を大きく上回っている説明がつきません。一説には、銀座を中心にその地域的ブランド力を背景とした保険適用外の“高級専門診療所”が多いからとも言われますが、検証は難しく、中央区の診療所の多さには謎が残っています」(池田氏)
