人気のタワマンも住んでみないとわからない“落とし穴”がある(イメージ)
「窓から富士山が見える」「地上の人が蟻みたい」「買った時より高く売れた」……眺望の良さや資産価値が魅力のタワーマンションは、大手デベロッパーがブランドを冠したシリーズを展開するとともに下がりにくい資産価値が評価され、住むための家としてだけでなく投資物件として購入されることも多い。しかし、『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の著者で不動産ジャーナリストの榊淳司氏は、タワーマンションの落とし穴に警鐘を鳴らす。
「低層マンションは鉄筋に生コンクリートを流して建てますが、20階から高いと50階にもなるタワーマンションは重量の問題で生コンを打つことができないので、軽量化と施工の効率化のために、外壁にはALCパネル(軽量気泡コンクリートパネル)という軽量なパネルが使われ、床は空洞を設けるボイドスラブ工法が用いられます。特にALCパネルは柱やサッシとの間の継ぎ目を接着剤で固定し、気密性・防水性を高めるためにコーキング剤で埋めるのですが、実はこの作業が難しく、現場の職人の腕に左右されます。
腕のいい職人が施工すれば防音性や気密性で問題は起きないのですが、下手な人がやると、隣の住人がくしゃみしたのが聞こえるくらいの防音性になります。これは内見したくらいではわからず、住んでみて初めてわかるという“運次第”なのです。コロナ禍の頃、自宅でリモートワークをしていて初めて隣の音に気づいたという人も多いです」(以下、「」内コメントは榊氏)
5年ほど前に、大手デベロッパーが渋谷区に建設した高級タワーマンションで、防音性や耐火構造などの欠陥がみつかったことがある。住人をいったん仮住まいの住居に移動させて、補修工事を実施するという事態になったのだが、住民の話によれば隣の部屋から電子レンジの“チン”の音が聞こえていたという。
