「変動費」で追加費用が発生する
その結果、変動費に対する説明不足が発生します。予想以上に参列者が来た場合、料理や返礼品などが参列者数に比例して発生します。これが変動費です。
また霊柩車などの遺体移動用の車両は、火葬場の到着予定時間を厳守しないといけないため、渋滞を避けて遠回りをすることがあります。この場合タクシーのように走行距離に比例して費用が増えていくので、これも変動費と言ってよいでしょう。このように事後的に、やむをえず追加費用が発生するケースがあります。
これが後から追加請求されることによって、「そんな話は聞いていない。見積もりより費用が上がってしまった」というクレームにつながっているのです。葬儀屋さんが打ち合わせ時にちゃんと説明すればいいのですが、その説明が抜けてしまったり、ちゃんと遺族に伝わっていなかったりすることから起こる問題です。
葬儀屋さんは遺族の気持ちが分からない
また、意外と指摘されていないことですが、葬儀という商品を販売している葬儀屋さんは実は「葬儀にお金を払ったことがない」スタッフも多いのです。
葬儀屋さんは長時間労働で肉体的精神的負担が大きいため、20代~40代のスタッフが主力です。この世代はまだ喪主を務めた体験がないので、葬儀の打ち合わせの時に遺族がどれだけ「精神的な疲労による判断力の低下」や「知識不足による不安」に直面しているかがわからないのです。
もちろん、なかには喪主を経験した年配の葬儀屋さんもいますが、葬儀の知識を得てから喪主を経験しているので、本当の意味で一般消費者の困りごとを経験しているとは言えません。免許を持っていない自動車ディーラーや、保険に入っていない保険勧誘員の説明を聞きたいとは思わないでしょう。しかし葬儀業界ではそういうケースが、むしろ多いのです。その結果、打ち合わせ中、頭に「?」マークが浮かんだままの遺族を置いてけぼりにする葬儀屋さんが、後を絶ちません。