JR・東急蒲田駅と京急蒲田駅は約800メートル離れており、それぞれの位置を教示する案内板が設置されている(2025年7月筆者撮影)
都心や横浜へ30分程度で移動できる交通利便性があり、駅ビルや周辺商店街が充実し買い物もしやすいのに、それに人気が追いつかない街という評判が定着している「蒲田」が、JR・東急蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ新空港線、いわゆる「蒲蒲線」の開通によって、名実ともに変わりそうだ。ライターの小川裕夫氏が、なぜ蒲蒲線が必要とされているのかについてレポートする。【前後編の前編】
人気上昇で蒲田地区の人口は増加傾向
東京・大田区の蒲田は1000円程度でべろべろに酔っ払うことができる、せんべろの街としても知られ、高架下には現在も多くの居酒屋が軒を連ねる。かつては、酔客やホームレスの姿が目立ったこと、ネットカフェ難民の人数が最も多いとされることもあった。
しかし、蒲田のネガティブなイメージは近年になって希薄になりつつある。蒲田地区の人口は2016年4月の29万1917人から2026年4月は30万3812人へ増加を続けており、しばらく増加傾向は続くと見込まれている(大田区調べ)、近い将来、住みたい街ランキングに顔を出すかもしれないと評する人もいるほどだ。
京急蒲田駅を含む京急本線が、都市部をつなぐベッドタウン路線として沿線全体の人気を高めていることなど、蒲田の人気上昇にはいくつか理由が考えられる。そのうちのひとつとして見逃せないのは、大田区にある羽田空港の存在だろう。国土交通省を中心とした政府機関や東京都・大田区といった自治体、JR東日本・京浜急行電鉄(京急)・東急電鉄(東急)といった鉄道事業者などが協力して機能拡張・利用者促進に取り組み沿線を開発している影響は大きい。
