住まい・不動産

老後に戸建てからマンションに住み替え 想定外の出費で“引っ越し破産”の恐れも

年代別の「持ち家比率」(2018年住宅・土地統計調査結果/総務省統計局)

年代別の「持ち家比率」(2018年住宅・土地統計調査結果/総務省統計局)

不動産業者に「売れません」と言われて…

 築年数の経った自宅の売却では、ほかにも注意すべき点がある。長嶋氏は、「築30年を超えている場合、大規模リフォームをしていなければ、家の価値はゼロか、更地にしなければ土地すら売れない可能性がある」と指摘する。

 問題は更地にする際にかかる「解体費用」だ。

「コロナ禍の資材高騰の影響は解体費用にも及んでいます。一昔前は坪単価5万円くらいでしたが、今は6万~8万円くらいかかることもある。ただ、それも自宅の前面の道路が広く重機が入ることができる場合で、道幅が狭く重機が入れなければ手作業での解体となる。作業が膨大になるため、たとえば30坪の建物で重機なら180万~240万円くらいで済むところが、状況によっては最高1000万円超かかることもあります」(長嶋氏)

 土地が1500万円で売れたとしても、解体費用次第で、手元に残る資金が大きく減ってしまうのだ。さらに、売却の仲介を依頼する「不動産業者」にも注意が必要だ。

「不動産業者は『少しでも高く売りたい』という売り手の心理を見越して、売却を引き受けるために査定価格を高めに出しがちです。端からその価格で売れる可能性は低く、当初額より値下げせざるを得ないケースが多い。

 それだけでなく、買い手も自社で見つけて仲介手数料を倍にしようと、物件情報を不動産業者のデータベースに掲載しなかったり、『商談中』と他社の仲介を断わるような業者が一部にいます。その結果、いつまでも『売れません』と言われて、泣く泣く値下げせざるを得なくなる」(長嶋氏)

 さらに、新たな住まいでも想定外の出費が生じることがある。

「マンションなら毎月数千~2万円程度の『管理費』や『修繕積立金』など、戸建てでは必要のなかった出費が発生します。『固定資産税』も駅近の鉄筋コンクリートになると戸建ての1.5~2倍になるでしょう」(長嶋氏)

 そうした出費が重なれば、年数十万円から数百万円の出費が生きている間中、続くことになる。やがて現金がなくなり、最悪の場合、“引っ越し破産”の恐れさえある。

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