子供の教育環境を重視して住まいを選ぶ家庭も多く、人気の高い公立小学校の学区がマンション価格に影響することもある(写真:イメージマート)
東京23区の中古マンション価格は、調整の動きを見せながらも依然として高い水準にある。不動産調査会社・東京カンテイによると、2026年9月の東京23区の中古マンション価格(70平米換算)は1億2629万円。前月比0.4%下落し、4か月連続で値を下げたものの、前年同月比では14.5%上昇しており、住宅購入のハードルは高いままだ。こうしたなか、子育て世帯がマンションを選ぶ際に、価格や交通の利便性と並んで重視する条件のひとつが、子供の教育環境だ。なかには、希望する学校に通わせるため、その学区内で住まいを探す家庭もある。
東京都内には、教育熱心な保護者から“名門公立小学校”と呼ばれる小学校がいくつかある。公立小学校は原則として指定された学区に住んでいれば入学できる。では、なぜ特定の学校が“名門”と呼ばれるのか。長い歴史や伝統に加え、教育熱心な家庭が集まり、中学受験を目指す児童が多いことなどが、その理由として挙げられる。こうした名門小のなかでも、特に知られているのが、千代田区の「番町小学校」と「麹町小学校」である。
東大へのエリートコースを支えた「番町小」「麹町小」
番町小学校は千代田区六番町にある公立小学校で、1871年創立の、都内でも屈指の長い歴史を誇る学校だ。政財界に多数の著名人を輩出し、創立記念式典には天皇陛下や皇族方をお迎えしたこともある。1967年に学校群制度が導入されるまで、番町小から麹町中学、日比谷高校、東大へと進むのが、かつての公立学校におけるエリートコースのひとつだった。
一方の麹町小学校は、千代田区麹町にある公立小学校で、1993年に旧麹町小学校と永田町小学校の一部を統合して誕生した。旧麹町小学校の前身となる学校は1875年に開校しており、150年以上の歴史を持つ。こちらも各界に著名人を輩出し、かつては麹町中学、日比谷高校、東大へと進むコースが名門校の象徴とされていた。
名門公立小学校を支える「富裕層の学区」
こうした歴史ある公立小学校が、今なお名門とされる理由は何か。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏はこう答える。
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【プロフィール】
榊淳司(さかき・あつし)/1962年、京都市生まれ。榊マンション市場研究所主宰、不動産ジャーナリスト。年間500か所以上、新築マンションの建築現場を現地調査する。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)を監修したほか著書も多数。
取材・文/清水典之
