住まい・不動産

60才以後の住み替え 人間関係に苦戦、子や孫の帰省減る可能性も

 これでは近所づきあいどころか、ご近所さんに避けられることにもなりかねない。A子さんが孤独を深める一方で、A子さんの夫はマンション暮らし特有の煩わしさに悩まされていた。

「理事会の当番がすぐに回ってきたんです。ほかの理事はみんな現役で働いているので“どうせ、お暇でしょ”という感じで、雑用を全部任される。そういう仕事も楽しめる人ならいいのですが、夫は腹を立ててばかり。ほかの住民とトラブルを起こさないか心配です」(A子さん)

 定例会への参加など、それまでなかった“義務”に戸惑う人もいるようだ。

 また、高齢者がマンションに引っ越すと、たとえ買い物など外出が便利になっても、かえって家に引きこもりがちになることも多いという。

「エレベーターが煩わしいと感じる高齢者は少なくありません。一戸建てなら玄関を出ればすぐに外に出られますが、マンションではエレベーターまで歩かなければならないうえ、エレベーターが来るのを待ったり、途中で人が乗ってきたりで、外に出るまでに時間がかかります」(山田さん)

 子供や孫との関係も忘れてはならない。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが言う。

「夫婦2人だけのための家に引っ越すと、これまで子供が帰省した際に使っていた余りの部屋がなくなるため、子供たちが滞在しなくなり、帰省の回数も減る可能性があります」

 祖父母の家の庭で遊ぶのを楽しみにしていた孫が、めっきり遊びに来なくなるというのはよくある話だ。『「最期まで自宅」で暮らす60代からの覚悟と準備』(主婦の友社)の著者で住生活コンサルタントの大久保恭子さんが言う。

「子供のそばに引っ越した方が、自分が介護されるようになったときに都合がいいと考える人もいるかもしれませんが、子供たちには子供たちの生活や仕事があり、必ずしも頻繁に来てくれるわけではないでしょう。過度に期待すると落胆も大きくなります」

 希望を持って移り住んだ新天地は、ご近所との人間関係が疎遠で、子供や孫も遊びに来ない寂しい場所になりかねないのだ。

※女性セブン2020年3月26日・4月2日号

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