転職をしようと思っても、何から始めればいいのか、事前に準備をするべきことは何か、などわからないことがたくさん出てくるのは当然のこと。転職に慣れている人はそれほど多くないのです。
できる限りスムーズに後悔しない転職を進めるため、今回は転職を成功させるために必要な準備、転職の進め方を解説していきます。
転職の準備はまず何から始めればいいのか

転職をしようと思ったとき、転職活動の準備としてまず始めにするべきことを解説していきます。
転職活動のスケジュールを立てる
まずは、早い段階で転職活動のスケジュールを立てるべきです。スケジュールをしっかり立てておかないと、現職をズルズルと続けて転職タイミングを逃したり、早く退職しすぎて空白期間ができてしまうことがあります。
転職活動にかかる期間は3ヶ月~半年が目安なので、転職したい時期に合わせて転職活動の開始時期を逆算しておきしょう。転職活動にかかる期間はあなたの年齢や職種、転職市場の状況にも左右されるので、余裕を持ってスケジュール立てしておくと良いでしょう。(参考:マイナビ「転職動向調査 – 転職活動の期間」)
自己分析とキャリアの棚卸し
次に、自己分析とキャリアの棚卸しをしましょう。転職先の判断基準や、面接・履歴書でのアピールポイントを明確にする際に役立ちます。
「なぜ現職を退職したいと思うのか」「自分がやりたいのはどんな仕事か」「自分がやりたくないのはどんな仕事か」「自分はどんなことが得意なのか」など深堀りして分析することは、転職の成功・失敗を大きく分ける重要なプロセスです。
自身に向いていない転職先に入社するほど不幸なことはありません。転職の土台となる自己分析とキャリアの棚卸しは、事前準備として徹底して行うようにしましょう。
キャリアプランもイメージしておこう
キャリアプランとは、あなたが人生で何を目指していて、それを実現するためにどんなキャリアを積むべきか計画することです。
場当たり的な転職をするとキャリアの実現は難しくなり、年齢を重ねるにつれて「こんなはずではなかったのに」と後悔することになりかねません。
あなたが実現したいキャリアプランを事前にイメージしておけば、転職先選びなどの転職活動の支えになるでしょう。
業界・職種の研究を行う
働き方や今後の展望は業界によって違いますし、業務内容・必要なスキルは職種によって大きく変わります。自身に合う仕事に就くには、業界・職種を知ることも大切です。
業界の内情や景気動向を知るには、マイナビの「業界地図」や帝国データバンクの「業界天気図」などが利用できます。職種は「業界と職種が分かる本」などの書籍を購入して調べると良いでしょう。
転職活動の流れ

転職の準備を進める前に、転職活動の流れを把握しておきましょう。

各ステップや準備物などを活動スケジュールに細かく割り振っておけば、心の準備ができて余裕のある転職活動を進めることができるはずです。
先ほど紹介した自己分析の後、どういった流れで進めて行くのかご紹介します。
転職サイト・転職エージェントに登録する
転職の第1ステップは、まず転職サービスに登録すること。転職サイトや転職エージェントを使えば、企業が出している求人を効率よく見ることができます。
採用情報は企業ホームページにも載っていますが、1つ1つ見ていくのは非効率です。できるだけ多くの求人情報を入手することで、自身に合った仕事や会社を見つけやすくなります。複数の転職サイト・転職エージェントを併用していくのが効率を上げるコツです。
当サイトでおすすめしている転職エージェントはリクルートエージェント。国内最大級の転職エージェントなので、登録しておいて損はありません。他にも幅広く抑えておきたいなら、dodaエージェントやマイナビエージェントなどにも登録しておくと安心です。
おすすめの転職サイトはリクナビNEXT。地方求人まで幅広い求人が揃っているので、数多くの選択肢から選びたい方にはピッタリです。転職エージェントと併用するなら、エージェントサービスもあるdodaやマイナビ転職もあなたの手助けになるはずです。
転職エージェントは早めに登録しておくのが◎
転職エージェントの登録を早めにしておくと、転職をスムーズに進められるのでおすすめです。
転職エージェントは、希望に合う求人を提案してくれるだけでなく、自己分析や選考書類の効果的な書き方、面接対策などの多岐にわたる転職サポートを行ってくれます。
サポートの利用はすべて無料なので、転職を成功させたいなら早い段階で転職エージェントに登録しておくと良いでしょう。
転職活動費を確保しておく
面接に行く交通費、スーツの購入費、身だしなみを整える美容室代など、転職活動にもなにかとお金がかかります。安心して転職活動に集中できるよう、ある程度まとまったお金を準備しておきましょう。
特に、現職を退職してから転職活動をする場合、転職先が決まるまで収入が無くなることに注意しましょう。転職先が決まってからも、初めての給料が振り込まれるまで期間が空くので、収入減を見越して生活費を確保しておく必要があります。
企業研究をする
企業研究は、転職する前に必ずしておきたい準備のひとつです。
業界や職種だけでなく、企業によって仕事内容・文化・社風は大きく異なります。同じ業界でも、チャレンジ精神あふれるベンチャー企業と歴史ある安定した老舗企業では、働き方が異なるのは想像できますよね。
あなたに合った働き方ができる会社か見極めるために、企業研究はとても重要なプロセスなのです。
企業研究は、企業ホームページや転職サイトの掲載情報に加え、会社の評判・口コミを掲載しているサイト、転職エージェントの情報を参考にすると良いでしょう。内部のリアルな声を知ることは、転職する際にとても参考になります。
選考に必要な書類をそろえて求人に応募する
あなたの希望に合う求人が見つかったら、求人に応募(エントリー)しましょう。
応募時には履歴書・職務経歴書といった応募書類が必要なので、気になる企業を見つけたらすぐに応募できるよう、できるだけ早めに仕上げておくと良いでしょう。
履歴書や職務経歴書は、書き方のルールだけでなく、よりあなたを魅力的にみせるノウハウがあります。書き方をしっかりと把握し、納得のいく内容に作成しておきましょう。
応募後は応募書類をもとに企業側が書類選考を行い、一週間ほどで選考結果が出ることがほとんどです。
面接・筆記試験を受ける
書類選考を通過すると、いよいよ面接です。面接の回数は企業によって異なりますが、2次~3次面接で終了するのが一般的です。
面接1回につき結果の連絡や次回の日程調整で1~2週間ほどかかるとすると、面接2回の場合でも応募から採用内定まで1ヶ月程度はかかるとみておきましょう。
また、なかには4次以降の面接を行ったり、筆記試験を設けている企業もあります。面接回数や筆記試験の有無など、気になる点は書類選考通過後のやり取りで確認すると良いでしょう。
面接対策は早めにしておく
面接が決まってから準備すると十分な対策ができず、せっかくのチャンスを棒に振る可能性があります。面接の準備は早い段階でしておきましょう。
面接では、あなたの強みや実績をアピールし、魅力的にみせるための徹底した準備が必要です。本番で焦らないためにも、質問にどう答えるか事前に練習しておきましょう。
面接対策に不安がある人は、プロの視点で的確なアドバイスがもらえる転職エージェントの利用がおすすめです。
筆記試験への対策
転職における筆記試験はさほど重要視されないことも多いですが、念のため準備しておくのが良いでしょう。特に、未経験の業界・職種に転職する際などスキルや実績で判断できない場合は、筆記試験の成績で判断されるケースがあります。
学科試験・適性検査については、SPIの問題集などを解いて学生時代のテストの雰囲気を思い出しておきましょう。一般常識試験や論文については、新聞やネットニュースに目を通したり、大まかな社会情勢を把握しておくのが効果的です。
企業によって実施内容の違いがあるため万全の対策をとるのは難しいですが、最低限の対策だけはしておくようにしましょう。
内定をもらい入社する
最終面接を通過すると内定です。内定通知を承諾すれば、めでたく採用となります。内定を承諾したら、入社日をいつにするか企業とすり合わせしましょう。
現職との兼ね合いもあり、在職中の人は入社日の調整に意外と手間取りがちです。入社日の調整は基本的に自分自身で行うことになりますが、転職エージェントを利用している人なら入社日の調整もエージェントが代行してくれるので、調整もスムーズに行えるでしょう。
転職が終わるまでに準備しておきたいこと

最後に、採用が決定してから入社までの間に準備しておきたいことをまとめておきます。
何ごとも最後の詰めが肝心です。思わぬ落とし穴にひっかからないよう、しっかりと把握しておきましょう。
現職の退職日を確定させる
在職中の人は、転職先への入社日の調整をする前に、現職の退職日を確定させておきましょう。
現職の企業に退職希望を伝えるタイミングは、意外に多くの人が悩むポイント。「給与などの条件を上げるから辞めないでほしい」「二ヶ月後は早すぎるので半年後にしてほしい」といった引き留めや退職日の先延ばし交渉をされるケースもあります。
しかし、できる限りあなた自身や転職先の希望日で入社できるよう、退職日を調整しましょう。最低限のマナーとしては、退職日の1ヶ月以上前には退職意志を伝えると良いでしょう。(法律上は2週間前までに申し入れ)
現職の引き継ぎ資料の作成
現職を辞めるときに失敗しがちなのが、業務の引き継ぎです。どうせ辞める会社だからといって、引き継ぎをおろそかにしてはいけません。
辞めた会社とまた関係が生ずる可能性はゼロではありませんし、世間は狭いもので前職の情報が転職先の会社で出回らないとも限りません。しっかりと引き継ぎをした証拠を残すためにも、引き継ぎ資料などを作って残しておきましょう。
口頭だけでなく資料で残しておくと、辞めた会社から連絡が来ることも防げますし、転職先の業務にしっかり集中できるでしょう。
入社書類の準備は抜かりなく
転職先に入社する際には、給与振込口座の申請、住民票などの必要書類の提出、契約書や誓約書などの押印といった入社手続きを行います。必要書類が提出できないような事態にならないよう、入社手続きに必要なものは抜かりなく用意しておきましょう。
特に、市役所やハローワークで取得する書類は、早めに揃えておくことをおすすめします。内定を承諾した時点で、入社時に必要な書類を確認しておくと良いでしょう。
入社準備に必要となる一般的な書類をピックアップしておくので参考にしてください。
- 住民票
- マイナンバーがわかる書類のコピー
- 雇用保険被保険者証
- 前職の源泉徴収票
- 年金手帳(年金番号)
- 健康診断書
まとめ
転職の準備と転職活動の流れを解説しましたがイメージできましたか?しっかり準備をして進めるのと計画無しに進めるのでは、転職の成功率に大きな差が出てきます。
自己分析や面接対策などの慣れない準備は、転職サイトや転職エージェントをうまく活用することでスムーズに進められるでしょう。