湾岸の埋め立てエリアに限らず、災害リスクへの備えは重要(写真:イメージマート)
東京湾に面する江東区、大田区、港区、品川区、江戸川区などには、元は海だった埋め立て地が広がっている。東京湾の埋め立ての歴史は古く、江戸時代の初期から始まり、現在でも「中央防波堤外側埋立処分場」と「新海面処分場」がゴミの最終処分場として機能し、埋め立てが進んでいる。
中央防波堤外側の埋め立てによって誕生する約150ヘクタールの土地については、江東区と大田区の間で数十年にわたって帰属を主張する“領土紛争”が続いていた。区の土地が増えて開発が進めば、人口が増え、税収も増えるからだ。“領土紛争”は裁判にまで発展したが、2019年10月に東京地裁は約86%を江東区、約14%を大田区に帰属させる判決を言い渡し、両区とも受け入れ解決に至った。新たに誕生した土地には、何十年か後にタワーマンションが建ち並ぶのかもしれない。
ただ、こうした埋め立てエリアに住む際に考えるべき点が“水害リスク”である。『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の監修者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏はこう指摘している。
「東京湾は内海のため、大きな津波の心配は少ないと言われてきましたが、歴史を遡ると明治期などに大きな被害が出た記録もあります。現代においては、津波そのものよりも、浸水によるインフラの停止が最大のリスクとなります。
2019年の台風19号で武蔵小杉のタワーマンションが被害に遭った際、地下の配電盤が冠水して全館停電になりました。電気が止まると、エレベーターだけでなく、給水ポンプや排水ポンプも動かなくなります。その結果、トイレが使えなくなるという事態に陥りました」(以下、「」内は榊氏のコメント)
