住まい・不動産

郊外の自宅を売って駅近マンションを購入した60代夫婦の大誤算

 前の家と比べると狭くなる新居に合わせて家電や家具のほとんどを買い替える費用もかかった。エアコンは3年前に調子が悪くなって買い替えたばかりだったが、家電量販店で「取り外しと取りつけの作業代を払うより、新しいのを購入する方が得」と言われ、リビングと各部屋に3台購入。全部で70万円近い出費となった。

 家を売ることで、2000万円から3000万円に増えるはずだった預貯金は、逆に目減りしたのだ。

 しかも「月々の生活費もハネ上がり、生活は以前よりずっと苦しくなった」という。いったいどうしてなのか。不動産コンサルタントの長嶋修さんが解説する。

「マンションが一戸建てと決定的に違うのは、管理費と修繕積立費がかかることです。管理費は共有部分の掃除代など管理会社に支払うお金、修繕積立費は将来、マンションの大規模な修繕を行うために積み立てておくお金で、合わせて月2万~3万円が平均的です。車があれば駐車場代がかかり、都心なら5万円、郊外でも1万~2万円はする」

 一方、3LDKの一戸建てを売り払おうとしていたB美さんは、高年齢であることを理由に物件を借りることができず……。ならば介護サービスつき高齢者向け住宅を、と思うものの、頭金3000万円、月額20万~30万円が一般的な相場で諦めざるを得なかった。

 お金をつくるつもりで家を売ったはずが、これでは貯金を切り崩して暮らしていくしかない。高齢になって住み慣れた家を売るリスクは、あらためて肝に銘じておきたい。

※女性セブン2020年3月26日・4月2日号


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